側弯症には先天的なものと後天的なものがあり後天的な側弯症ではそのほとんどが特発性側弯症とされています。思春期の成長に伴って徐々に脊椎が左右に弯曲した状態で成人の体系へと成長していき、身体にとってこの側弯があるのが普通の状態で成長が終了してしまうとその側弯を無理矢理矯正することはかえって体に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるため注意が必要です。
特発性側弯症に多くが原因不明とされていますがこの原因に関してはいくつかの分類がなされているという説もあり、その分類について非常に簡単に分類すると以下の通りになります
①骨の変形
そのままの意味で外傷による衝撃によって一部の骨の形状が変化してしまいその変化によるバランスの乱れを相殺するために身体を側方に傾けてバランスを取るために起こる側弯で、骨の変形を治すことは非常に時間がかかり難しいため専門医に相談して手術による矯正をするか、側弯とうまく付き合っていくかを決めるのが良いかと思います。
②頭蓋、下肢、骨盤、内臓などの歪みの代償
これもそのまま脊椎と関係の強い他の部位に生じた歪みや捻じれに対処するために脊椎に側屈や回旋といった運動をさせて視界の平行や重要な構造物を守ろうとするため起きる側弯で、このタイプの側弯は原因となっていると考えらる骨盤や下肢の歪み、歯のかみ合わせや頭蓋の歪み、内臓への負荷を矯正やマニュピレーションで改善してあげたり、下肢の長さの違いによるものであれば短い方の下肢に上げ底を使用するなどでバランスを取れるようにしてあげれば成長にともなって改善していく可能性があるかと思います。
③片側の軟部組織の癒着による成長の阻害
これが現代では最も原因不明で放置されやすい原因ではないかと個人的には思うもので、頭蓋、脊椎、仙骨、尾骨といった組織に付着する硬膜、靭帯、筋膜、軟部組織が一部で骨に癒着を起こしてしまい、それが片側に発生することで片側のみの上方向に伸びようとする成長を妨げてしまうことで側弯が起こると考えられるもので、健側と癒着している側で生じた成長速度の差によって癒着を起こしている側に側弯が起きてしまうような病態になります。この癒着は頭蓋内、脊椎や仙骨の各所など多くの場所で起こる可能性があるためしっかりとした検査と治療が大切です。
④視野異常の代償
脳、三半規管、目といった器官の異常によって真っすぐな状態であっても視界や平衡感覚が傾いた状態であると認識してしまいその感覚に対応するために体を傾けた状態を続けることで身体に側弯状態の癖がついてしまったもので、視覚の問題であれば特殊な眼鏡などで是正も可能ですが脳の異常の場合であれば極めて高度で専門的な分野になりますので専門の先生にしっかりと相談して治療方針を決める必要があります。
接骨院での対応について
接骨院、整骨院で対応が可能な側弯症は①~④のうちの①~③になりますが、側弯に関しては通常の骨格矯正やマッサージは効果が薄いとされているためより専門的な知識とアプローチするテクニックを習得している先生に御相談することをおすすめします。また、いずれの側弯であっても治療をしながら体に起こっている変化に対応しながら継続的に治療していく必要があるため効果が出るまでにある程度の期間を要するので効果が明確に表れるまで治療を継続するためにも治療にあたる先生としっかりと相談して決めていく必要があるかと思います。