世界中が新型コロナウイルスで大混乱していますが、今回は肺炎についての当院の考え方をお話ししようと思います。
肺炎にもいくつか種類がありますが、どの肺炎であっても肺の組織の一部が炎症によって変質してしまいます。
その際主に肺胞と呼ばれる組織が変質するのですが、肺胞はゴム風船のように空気の出入りによって伸縮する機能を有しますが、炎症によって変質してしまうとその伸縮機能が低下または消失し、呼吸の機能が十分に果たせなくなります。
また一部の組織に変質が起こるとその影響は周囲の組織にもおよび、胸膜などを介して最終的には肺だけでなく胸郭全体の機能不全を起こします。
胸郭が上手く動かなくなると免疫で重要な役割を持つ胸腺、リンパなどの機能が低下するのでその影響は全身に及ぶと言っても過言ではありません。
肺炎の治療には投薬などによる病原菌の除去はもちろんですが、その後に影響を受けた組織への治療も必要になってきます。