体が冷える原因
冷たいものに触れたり寒い環境に一定期間曝されることで体の熱が奪われると冷えとして感じますが、外部からの寒冷刺激によって人体は熱を逃がさないようにするために生理学的にもいろいろな反応を起こして交感神経系を興奮させて末梢の血管を収縮させます。
血管が収縮するということはその部位に酸素や栄養を運んでくる血液が流れにくくなるということになりますので、熱を逃がしにくくなる変わりに熱が起こりにくい状態になってしまいます。
通常であれば寒冷刺激が緩和されたり、血管収縮があまりに持続すると反射が起こり交感神経系を抑制して副交感神経系を興奮させ末梢の血管を拡張させて血流を増大させようとします。
しかし、自律神経系になんらかの問題があって交感神経系の興奮が収まらない、副交感神経系の興奮が上手くいかないといった場合や、末梢に血液を送るための経路である血管系に何らかの異常があるような場合には冷えがなかなか改善しなかったり慢性的な冷えを感じるような体の状態になってしまいます。
冷えの解消
冷えの解消のためには冷えのある部分を温める、栄養をとって体の持つ熱を生み出す力を活性化させるといったことはもちろん大切ですが、自律神経系のバランス、末梢へと血液を運ぶ血管系の機能が正常に働けるようにしてあげることが重要になります。
自律神経系のバランスを取るためには神経の通り道である頭、背骨、骨盤に至るまでの骨格、脳と脊髄からなる中枢神経系の機能、筋肉等の軟部組織の状態を整えて自律神経系が正常に機能出来るような状態にする必要があります。
また血管系の機能改善のためには心臓、大動脈だけでなく末梢や局所へと血液を分配する毛細血管がその機能を十分に果たせるように心臓や血管の周りにある横隔膜、心膜、胸膜、筋肉、筋膜などの軟部組織の柔軟性とそれらの動きに関連する骨格系の動きも正常に機能出来るようにする必要があります。
これらの人体に備わる機能が正常に働けるようにするために冷えを感じやすい末梢だけでなく全身の状態を整える必要があるといえます。
もちろん日常的に寒冷環境に曝されないように防寒をすることも大切ですが、それでも改善しない、慢性的に冷えを感じるという方は是非一度冷えにくい状態に体を調整することも御検討下さい。