シンスプリントとは脛にある脛骨という骨の骨膜が何らかの原因で炎症を起こしてしまい、踵や下腿部(ふくらはぎまわり)に痛みを起こす疾患で、脛骨の後面に沿って痛みが出ることが多いとされている疾患のことです。
シンスプリントの原因として言われているのはオーバーユース(いわゆる使い過ぎ)で、歩く、走る、跳ねるといったような比較的ふくらはぎへ負担が長時間かかり続けるような運動を行うと発症する可能性が高くなってしまいます。
そのためサッカー、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、マラソンなどの走ることの多いスポーツをされている方に起こりやすく、運動に伴って強めの痛みが出るためパフォーマンスに大きな影響が出てしまいます。
シンスプリントの症状には脛骨後面を走る後脛骨筋という筋肉(筋膜)が発症に関与するとされていて、スポーツなどの大きな負荷だけでなく立ちっぱなしや背伸び(つま先立ち)を長時間強いられるような持続的な筋肉への負荷でも発症することがあります。
シンスプリントの原因として先ほどオーバーユースを上げましたが、オーバーユースだけでなく足に加わる衝撃が脛骨骨膜に負荷を掛けるような足部の形の異常や筋肉の機能低下などによっても起こる可能性が高くなってしまうので激しい運動をしていないからといって無縁の疾患というわけではないので注意が必要になります。
寒くなってきた昨今の気候においては筋肉が冷えることによって反射的に収縮して柔軟性が低下してしまい、必要以上に力んでしまったり足部の関節の機能が低下してしまうと更に起こりやすくなってしまいます。
そのため、シンスプリントの治療には炎症を起こしている脛骨筋膜の炎症を減退させ脛骨筋膜に負荷がかかりやすい要因となっている足や下腿部全体の機能を調整する必要があります。
特に現代日本では偏平足のような足に本来備わっている衝撃吸収機能が低下している人が多いとされる上、捻挫等による足関節周囲の骨や組織のズレの治療を受けていない方が多いためシンスプリントに限らず下肢の疾患には大きな注意が必要になるかと思います。
足や脛に痛みや違和感を感じたら是非一度しっかりとした検査と治療を受けることを検討してみて下さい。