単に鍼灸治療とはいっても現代においてはいくつもの種類があることはご存知でしょうか?
現在日本で行われている鍼灸治療は大雑把に分類すると中国式、日本式、現代式の3つの方式があります。
中国式の鍼灸治療は脈、症状、症状がどこにでているかなどの情報をもとに経絡や穴性と呼ばれるツボの性質を利用して治療します。使用する鍼は比較的太く、深く刺したり操作することで強い刺激を与えて体に変化を起こさせ気の流れを改善させます。
日本式は経絡治療ともいわれる手法が主になっており、脈診によって体の状態を把握し、難経という治療方針に基づいて治療します。使用する鍼は細く、浅く刺すことで気の流れを整えます。肘、膝より末端のツボを多く用いて細い鍼を浅く刺すので刺激自体は比較的弱い手法になります。
現代式は主に皮膚や筋肉の硬さやトリガーポイントなどの反応点に対して鍼を刺して症状を改善させる手法で、解剖学や生理学に基づいた診断によって鍼を刺す場所を決めます。
また機械を用いてパルスを鍼に流すことで筋肉や神経に対して目的に応じた効果を与えます。パルスを用いる関係上、鍼は日本式よりはやや太めの鍼を用います。
いずれの手法も効果は科学的に証明されていますが、アプローチの方法や目的が異なるため、ひとりひとりの体質や目的に応じた治療法を選択することが重要になります。