ここ数日猛烈な寒波によって地域によっては雪や路面凍結で足場が悪い時はもちろん、体調不良や運動不足、筋力低下などで後方に転倒してそれなりの勢いでお尻をついてしまうしりもちですが、実は結構体への影響の大きな怪我であるということを御存知でしょうか?
今回はしりもちで起こる代表的な怪我とその症状について簡単に御説明します。
打撲
これはそのままお尻をぶつけたことでぶつけた部分の組織が損傷して痣や痛みといった症状が出ます。
お尻をぶつけることで捻挫というとイメージがわきにくい方が多いかもしれませんが、しりもちをついた際に骨盤の尖端にある尾骨という骨に力が加わると尾骨と仙骨の関節が捻挫と言える状態となってしまいます。
この骨盤部の捻挫では損傷した靭帯などの損傷による痛みはもちろんですが、仙骨、尾骨には神経や硬膜も付着しているため交通事故にあった時のような頭痛、めまい、むちうち様症状が出たり坐骨神経痛などの神経系の症状の引き金となってしまう場合も少なくないので普通の捻挫よりも注意が必要になります。
骨折
高齢な方に多いですが、骨密度が低下した状態で強くしりもちをついてしまうとぶつけてしまった骨盤部はもちろん、店頭の際に無理な体勢を強いられた大腿骨や衝撃が波及する脊椎などに骨折や圧迫骨折が起こってしまう可能性があります。
この場合骨折している部位に圧痛や叩打痛といった痛みが出ますのですぐに整形外科等を受診して状態を確認してもらいましょう。
骨盤の縦のズレ
骨盤は構造上、歩行といった日常動作を行うために捻じれる機能を有していますので捻じれによる機能障害には人の体は比較的順応します(長期間放置するともちろん影響は出ますが)。
しかししりもちをついたりした時に左右どちらかの骨盤だけをぶつけたりしてしまったりすると左右の骨盤に上下のズレが生じてしまいます。
この骨盤の縦方向のズレは捻じれによる歪みとは違い自然に矯正されることは少なく、慢性腰痛の大きな原因の1つとなってしまいます。
また骨盤が上下にズレることで骨盤内の内臓や隔膜の動きにも制限が加わってしまいますので、内臓の機能障害や呼吸や頭部の動きにも影響を及ぼしますのでしっかりと治療する必要があります。
しりもちで体に起こる変化を簡単に御説明しましたがいずれの症状であってもしっかりとした検査と治療を受けるにこしたことはありませんのでしりもちをついてしまって体調に違和感を感じたら受診を御検討下さい。